物流の「2024年問題」への対策として国土交通省は、ドライバーの労働環境改善や、物流の効率化を目的とした様々な取り組みを進めています。
その一つが「中継輸送」です。中継輸送とは、長距離輸送を複数のドライバーで分担し、途中のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)でドライバーを交代する輸送方式です。これにより、1人のドライバーが長時間運転しなくて済むようになり、労働環境が改善され、ドライバー不足の解消に繋がることが期待されています。
中継輸送拠点の整備は、ドライバーの拘束時間削減に大きく貢献し、物流業界の課題解決に繋がる重要な取り組みです。
実証実験の概要
(国土交通省:資料「中継輸送の拠点整備について」)
- ・ 実施場所: 東北自動車道・佐野SA(下り線)の管理者用スペース
- ・ 実施期間: 1週間程度(1日1便)
- ・ 実施時間: 午前6時台
- ・ 目的: ドライバー交替のルール上の整理ができていないという課題があり、実証実験を踏まえてルール整備が行われます。また、安全性の確保や、効率化の検証等を目的としています。
期待される効果
- ・ 高速道路会社: SA・PA上での休息(車中泊)による、長時間駐車の課題の解消が期待されます。
- ・ 運送事業者: 物流拠点等でのドライバーの確実な休息機会を確保することが可能で、往復輸送が出来ない長距離輸送における、ドライバーの拘束時間の遵守が期待されます。
この実証実験は、年内に検証結果をまとめ、2025年3月までに運用上のルールを整備・策定することを目標としています。
佐野SAでのドライバー交代実証実験は、物流業界の構造改革を促し、より持続可能な物流システムの構築に繋がることが期待されます。